コンテンツマーケティングを学ぶ

これまでコンテンツマーケティングのノウハウの一部をコビトスパイスのサイトに記事を執筆してきた。記事をきっかけにコンテンツマーケティングに関心を持ったという声もあり、これからコンテンツマーケティングを学ぶ人のために、さらに分かりやすく基本をお伝えすることにする。

今回はコンテンツマーケティングを恋愛に例えて説明することにする。理想の相手に出会うためにコンテンツマーケティングを活用してみると仮定する。題して「恋を集めるコンテンツマーケティング物語」だ。

恋を集めるコンテンツマーケティング物語の背景

今回登場するのは、雨宮晴子(仮名/31歳)、東京の渋谷にある女性向けスマートフォンアプリの開発を行う会社のマーケティング部で働いている。1年前に5年間付き合った彼と別れてから、新しい出会いを求めているものの職場は既婚男性しかおらず、特にお稽古事などをしていない晴子に出会いのきかっけは少なかった。

しかし、そろそろ結婚を意識する年齢でもあり、沖縄でマンゴー農園を営む両親にも帰省するたびに結婚の話を持ちかけられていた。晴子はすでに嫁に行った姉が一人いる。父はマンゴー農園を後継者は晴子と夫になる人にしたいと思っているらしい。晴子としても思い出の詰まった家業を守りたい気持ちは強かった。

ただ、晴子は今の仕事が好きだった。結婚したとしてもあと10年は東京で暮らして今の仕事を続けたいと漠然と思っていた。そのため、結婚相手も東京で見つけて、将来、一緒に父の農園を継いでくれるのが理想的だった。

晴子はそろそろ自分の理想の相手と出会うためにアクションを起こそうと思っていた。

物語を発展させるコンテンツマーケティングとは

コンテンツマーケティングは、見込み客に有益な情報を提供することで信頼を得たり、価値を感じてもらい、顧客化する方法だ。これまで主流だったのは、テレビCMや新聞広告はニーズがないところにでも情報を企業側から提供し購入をアプローチをするアウトバウンドマーケティング(プッシュ型)という手法だ。これに対して、コンテンツマーケティングは、見込み客が能動的な行動を起こすことを目的に、顧客にとって有益な情報を提供し惹きつける手法(プル型)だ。今回の物語の主人公である晴子はコンテンツマーケティングを将来のことも考えられるパートナー探しに応用する。

ペルソナをつくる

晴子はどのような男性と出会いたいのかあらためて考えた。「一緒にマンゴー農園を継いでくれる」「年上で包容力がある」「やさしくて誠実である」「知的で尊敬できる」「自分と同じ土日祝日が休みの仕事である」。色々と好き勝手でまとまりがないと感じながらも以下のように理想の男性像を作ってみた。
  1. マンゴー農園を経営したい
  2. 現在は東京23区勤務のサラリーマン
  3. 32歳から36歳くらい
  4. 俳優の西島秀俊っぽい雰囲気
  5. 清潔感があり男女問わず好かれるタイプ
  6. 自然が好きなアウトドア派
  7. やさしくて誠実
  8. 沖縄が好き

ペルソナ作成

コンテンツマーケティングでは、万人にウケる情報を提供する必要はない。自社の商品やサービスの見込み客となる人が必要とする情報だけを提供する。そのため、ターゲット像であるペルソナを明確に設定する必要がある。実際のペルソナは職業や年収、居住地域など非常に細かい情報を検討する。ペルソナの作り方については、過去に詳しく解説してあるので参考にしてほしい。
【参考】ペルソナマーケティングでこころに届くコンテンツをつくる

集客に有効なコンテンツを選択する

なかなか複雑に仕上がった晴子の理想の男性像。出会いを待っていては機会はないが、探して歩くものでもない。晴子は将来的に父の農園を継ぐときの役に立つだろうと、マンゴー農園に関する情報を掲載したホームページを制作することにした。ホームページを通じて、マンゴー農園に興味のある男性と知り合うのが効率的だと思ったからだ。

コンテンツには様々な種類がある。ブログやソーシャルメディア、動画、画像など色々だ。今回の例のように必ずしもホームページを使う必要はないが、オウンドメディアと呼ばれる自社メディアを構築し、そこで有益な情報を提供し見込み客を集める手法が最近は多い。
オウンドメディアについては以前解説しているので、以下を参考にしてほしい。
【参考】今さら聞けない!オウンドメディアとは何か?

コンテンツを制作する

晴子はどのようなホームページを作るとマンゴー農家をやってみたい男性が見てくれるかを一生懸命に考えた。そこで、ネット検索や書籍で就農やマンゴー農家に関する情報を調べてみることにした。WEBサイトや書籍には、マンゴー栽培や就農について質問に答えているものや、日常生活ではあまり知ることのないビジネスとしての話が書いてあった。家業である晴子には分かっていることでも、これから始める人にとっては興味のある情報がたくさんあるのだろう。晴子はよくある質問を調べ、その質問を解決する情報をホームページに載せることにした。

また、過去にアフィリエイトを行っていた晴子は、マンゴー農園の経営に興味のある人に検索されるキーワードを使ってコンテンツを作らなければ、ホームページを見てもらえる機会が少なくなることを知っていた。そこで、Googleのキーワードプランナーを使い、思いつくキーワードや雑誌やWEBサイトで見かけたキーワードの検索数の確認してみた。「マンゴー栽培」「農業 起業」などいろいろなキーワードがあったが、大手サイトが使わないようなキーワードを使わないと、検索結果の上位に表示されないので、「競合性が低」となっているキーワードを選択した。
コンテンツマーケティングで最も重要なのは上質な記事だ。他に掲載がない情報や分かりやすい説明は見込み客にとって大きなメリットだ。ニーズを調べるためには、雑誌や競合のWEBサイトの他、お悩み相談サイトなども有効だ。さらには、晴子のようにキーワードプランナーを使用して、実際に検索される数を調べる。検索する人がいるキーワードをコンテンンツで使用するのがセオリーだ。また、コンテンツはできるだけ多く作ったほうがよい。

コンテンツ制作をする

プロジェクトのゴールを決める

晴子は来年度に現在在籍しているマーケティング部から異動する可能性があった。新しい部署に異動して新しい仕事が始まると思うように自分のホームページを更新する時間がなくなるのが心配だった。そのため、このプロジェクトのゴールを6ヶ月後に設定した。制作を決めているコンテンツは40本あるので、週に2回アップし5ヶ月で予定しているコンテンツの配信を終えることにした。

また、現在のままでは、ホームページはただの情報提供の場だ。肝心の出会いのきっかけがないので、マンゴー農園の起業勉強会を開催することにした。ホームページにバナーを掲載し、勉強会のメンバー募集をした。信用を得るために、主催者である自分のプロフィールも掲載した。沖縄が好きな男性に来て欲しい願いもあり、綺麗なビーチの写真やシーサーなど沖縄らしい写真も同じページに掲載した。
また、各コンテンツにはコメント欄を設けて、投稿者とやりとりができるようにすることで、コメント投稿者の人柄もわかるようにしておいた。
基本的に欲張ることなく有益な情報提供で貢献するのがコンテンツマーケティングだが、ビジネスサイトにはゴールが必要だ。制作するコンテンツがどのようにコンバージョン(申し込みや購買)に至るかの流れをイメージしなければならない。
晴子のように、見込み客と出会う場所を作らなければいけない。イベント申込もあれば、資料請求、ダイレクトに購入というのもあるだろう。
また、プロジェクトは期間を区切って計画的に実行するべきだ。プロジェクト期間を明確にし、結果検証をすることで、より精度の高い戦略を実行することができる。

ホームページ運用の結果

晴子がコンテンツの更新を計画通り実行するようになって4ヶ月が経った頃だ。晴子はSEOに強いサイトや大手企業のサイトと競合しない地道なキーワードを使ったおかげで約7割のコンテンツが検索結果の1ページ目に表示されるようになった。1ページ目を獲得するごとにアクセス数は増えてた。

晴子は10名の仲間と勉強会をするようになっていた。そのうち男性は8名だ。勉強会のメンバーの中には親しくなった男性もできて普段から連絡を取るようになり、晴子に好感をもっているように感じる男性もいる。未来の旦那さん候補がこの中にいるのかはまだ分からないが、よい出会いになっていることは確かだ。

実は晴子に大きな変化が起きていた。それは、転職だった。
恵比寿にある高級果物の通販で成功をしてる会社に4月から入社することになっていたのだ。マンゴーの栽培ノウハウは父が持っているので、これからの時代に合った販売ノウハウは自分が身につけなければいけないと思ったからだ。転職先の社長には将来家業を継ぐにあたって通販の勉強をしたい旨を正直に話した。「競合になっても構わない。そのかわり美味しいマンゴーをうちの会社にも卸してほしい」という気さくな社長の一言に心を打たれた。

ホームページをスタートするときは、マンゴー農園を一緒に継いでくれる理想の男性を探すのが動機だったが、この数ヶ月で意識が変わった。マンゴー農園経営のことを学び、意識高い系の仲間との時間を過ごすうちにビジネスに目覚めていたのだ。一生懸命取り組むことは人生を変える、デジタルなネット社会と背中合わせの人間味あふれるストーリーだ。
コンテンツマーケティングはリスティング広告とは異なり、いきなり効果がでるものではない。しかし、SEOキーワードの選択次第では検索上位を早く獲得できるだろう。勝利の秘訣はスモールキーワードで形成されたコンテンンツだ。小さな積み重ねがロングテールSEOとして大きな成果を生み出す。ロングテールSEOについては以下で解説しているので、この記事を参考にしてほしい。
【参考】ロングテールSEOで地道に構築する集客サイトづくり

あとがき

今回はコンテンツマーケティングをストーリーにすることで、わかりやすく伝えたかった。恋愛というより婚活に近いテーマだったかもしれないが。実際にコンテンツマーケティングを実行するには、さらに細かく配慮する点や工夫がある。解説が膨大な量になってしまうので今回はそこまで触れないが、覚えておいたほうがいいことは、今後、紹介したいと思っている。

コンテンツマーケティングに興味を持った方に少しでもお役に立ててれば、北海道札幌から全国にコンテンツマーケティングサービスを提供するコビトスパイスとしては、この上なく嬉しい。
【注記】この物語は、コンテンツマーケティングを分かりやすく理解するためのフィクションであることをご了承いただきたい。

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