工務店、住宅会社のWEBマーケティング

住宅業界は、今後顕著になると予測されている世帯数の減少により、経営・事業形態に大きな影響があると考えられる。世帯数の減少により新規住宅需要は減少し、求められる住宅の傾向も変化するだろう。その背景にあるのが少子高齢化であり、高齢者単独世帯の急増が予測されている。これまでの世帯人数の多い時代に求められた新築一戸建てや新築マンションへの需要は、家余りの背景のもと、リフォーム、リノベーションを必要とする流れが目立つようになっている。

このような時代背景の中、住宅会社・工務店は技術、実績、個性を磨き、OB客のアフターフォローや紹介など未来へと繋がるマーケティング、営業活動、そしてカスタマサポートに注力している。しかしながら、増税時代を背景に消費低迷が予測される中、事業成長のためには、次の一手が必要となる。そのうちの一つがWEBの活用であり、今回のテーマでもある。

自社のWEB資源を確認し活用を見直す

住宅業界に関わらず、WEB集客において最も大切なことはツールの見直しである。ここで言うツールとは、ホームページやブログ、ソーシャルメディア(twitter、facebook、instagramなど)のことである。これらのツールは、保有しているだけでは意味がない。機能しているかである。実はこの中の一つでもエネルギーがあれば、住宅会社・工務店のWEB集客は成功する。以下に各ツールそれぞれの確認ポイントを記す。まずは自社の現状を確認していただきたい。

ホームページ

ここで確認するのは、月間訪問者数と問い合わせや資料請求などのコンバージョン率(CVR)だ。Googleアナリティクスのセッション数を確認していただきたい。年間30棟を目標とする工務店を例に図を用意した。以下の視点で確認してみよう。サイト訪問者数、営業成約率、問い合わせ率をもとに算出するのである。こうすると自社に必要な訪問者数(アクセス数)がわかる。満たしている場合、そのホームページは今後の御社のWEB集客に大きく貢献できる可能性が高い。

WEB資源の評価

目標をクリアするために必要なアクセス数が、まったく足りていない場合は、ホームページの存在すら知られていない可能性が高い。検索エンジンで御社が望むキーワードで検索されたとしても、検索結果の1ページ目に表示されないのではないだろうか。しかしながら、このような状況でも諦めることはない。ホームページにちょっとしたスパイスを加えることで、十分に集客機能を高めることができる余地があるのだ。残念ながら作り直したほうがよいレベルのホームページを作ってしまった場合は、新規制作を検討しなければならないところだが、他のツールを強化することでホームページに息吹を吹かせることも可能だ。

ブログ

ブログもホームページ同様にアクセス数をみたい。前述のホームページと同じ算出方法で機能しているかをみてみよう。ブログからホームページにどれだけのアクセスがあるかも把握しておきたい。また、ブログはホームページ内に存在していた方がSEOに効果的だ。別ドメインで単体運用をしている場合なら、できれば無料ブログサービスを利用するより、自分でレンタルサーバーを用意してブログを開設する方がサービスに左右されず資産としてブログを保有し続けられる。無料ブログサービスをどうしても使うなら、バズを狙いやすいHatenaブログをオススメしたい。

twitter(ソーシャルメディア)

ソーシャルメディアは逆転ホームランを兼ね備えたWEB販促ツールである。ホームページやブログがオーガニックサーチと呼ばれる検索エンジンの自然検索に最適化するように地道に努力するのに対し、ソーシャルメディアはそういったプロセスを踏まずに、バズを生む力を持っている。大切なのは各ソーシャルメディアの特性を活かした利用であり、ただアカウントを保有しているだけでは効果は微塵にも期待できない。

twitterは、知らない人でも気軽に交流のきっかけを作れるが、気軽なだけに深いところまでリーチしにくい。自分をフォローしてくれるフォロワーづくりが大切であり、いかに自社に関心を持ってくれる人が多く含まれるかが重要だ。これはペルソナを明確にすることで精度を高めることができる。次に必要なのは、その中にリツイートしてくれる可能性の高い人がどのくらい含まれているかだ。twitterには自分だけがわかるフォロワーリストをつくる機能がある。フォロワーの構成は戦略的に行っていくことがtwitterの活用の第一歩だ。

住宅会社の場合、自社の商圏内だけを販促範囲として見てしまう場合があるが、WEB販促においてはそうとは限らない。twitterができることは、わずか140字でフォロワーに「動機」を与えることである。そして、その「動機を生む種」を拡散することだ。顧客の獲得はtwitterの先のWEBサイトが役目を担う。好奇心旺盛なフォロワーが情報拡散するなら、場所は問わない。できるだけ多くのひとに拡散する方が、自社の商圏内の人にも情報が届く可能性が増えるからだ。

facebook(ソーシャルメディア)

facebookは実名登録のソーシャルメディアであることが最大の特徴だ。ソーシャルメディアに期待する友達の繋がりはリアルであるだけにtwitterよりも濃い傾向にある。友達にシェアされた情報には友達の信頼が加わるので、情報を受け取った相手からも信頼を得られる可能性は高い。情報によっては、さらにシェアが広がる可能性があり、これがビジネスにおけるfacebookの大きな魅力である。

事業者にとってFacebookの広告は魅力的なサービスである。twitterよりも認知後の情報拡散に精度を期待できるfacebookは広告媒体としても有能だ。ここで使うfacebook広告はエリアを商圏に絞ってしまってよい。ここで大切なのは、何の認知をするかである。売り込みに疲れてしまった現代の消費者には、ソーシャルメディア内でも売り込みを嫌う傾向にある。そのため、認知にはセールスを忘れて、「知識」「感動」「驚き」など心の満足にこだわらなければいけない。

instagram(ソーシャルメディア)

私の経験上、instagram(インスタグラム)をよく知らない住宅会社・工務店はまだまだ多いが、商品にビジュアル要素も多く含む住宅業界においては、知っておかなければいけないソーシャルメディアの一つである。instagramは、画像を中心としたコミュニケーションを楽しむソーシャルメディアである。Instagramは住宅会社以外でも、まだビジネスには有効に活用できていないことが多い。アカウント育成を今からしっかり行っても後発とは思わず、デザインに個性がある住宅会社なら取り組みたいところだ。当然、注文住宅や新築建売を行う住宅会社だけではなく、リフォーム、リノベーションにおいても有益な活用が可能だ。ここにおいても大切なのは、自社の売り込みではなく、「驚き」「感動」など感情を動かすことを目的とした画像の投稿だ。

Instagramなどを使用するビジュアルコンテンツマーケティング

WEB集客で理想的なスキームを想定する

自社が保有するWEB資源を見直したら、次はこれらの資源をどのように育成するかだ。WEB集客のゴールに導くまでのプロセスを明確にすることが必要だ。以下の図をご覧いただきたい。各WEB資源が有効に働いた場合の見込み客の流れをイメージできるだろう。

WEBプロモーションモデル

ゴールをイメージする!ホームページで問い合わせや資料請求をしてもらうために

続いて、前述した理想的なWEB集客モデルを実現するための具体的なポイントをお伝えする。

まずはホームページのゴールを考えよう。見込み客から問い合わせや資料請求などのコンタクトをいただくことが目的だ。内覧会の申し込みでもよい。見込み客からコンタクトをいただくには、見込み客の心理を考えなければいけない。売り込みに疲れた消費者には、消費者に自発的なアクションを促すインバウンドマーケティングがポイントだ。

見込み客は何を考え、御社にコンタクトをするのだろう?ホームページを見ているという状況から御社の建てる住宅やリノベーションに関心があり、サイト訪問をしているはずだ。
住宅会社・工務店の場合、お客様が最も気にすることの一つが、満足な施工ができるかだ。人生のうちの大きな消費の一つは住宅、一つは自動車と挙げられるように大きな買い物だけに消費者も慎重だ。その慎重な心理状態を行動に促せすのが「施工事例」であり「口コミ」である。つまり、実績と信頼だ。問い合わせの意欲がわくようなイメージやメッセージをコンテンツを掲載しなければならない。

実は、多くの住宅会社・工務店は、このホームページの作り込みはできている。経験を積んだ制作会社により、そこそこに費用をかけて作られたホームページは、よほどハズレを引かない限り、ビジュアル面の用途は満たせるだろう。一点大切なのは、写真をプロカメラマンに撮ってもらうことだ。そして、面倒でも写真へのキャプションや、施工実例への説明をしっかり書かなければいけない。

問い合わせをしたくなる動機は、一目見ただけで心奪われるデザインなら何も書かずともよいかもしれないが、そんな住宅はあまりないだろう。多くの場合は写真の魅力を伝えるためのテキストが必要なのだ。そうやってコンタクトへの動機を促進しなければいけない。

ホームページに見込み客が集まるための施策

ここからはホームページに見込み客を集めるための手法をお伝えする。ホームページは更新すればアクセスが集まると言われ実践したが成果がでなかった声を時々耳にする。大切なのは、更新の中身であり、不要な内容を更新するだけでは、ただ検索エンジンのクローラーの邪魔にしかならない。
また、WEBサイトへの集客成功を望むなら、必ず学習しなければいけないのが検索エンジンについてだ。自社のサイトを評価する検索エンジンがどのような仕組みなのかを知ることでSEO戦略の精度は上昇する。詳しくは、以下の参考記事をご覧いただきたい。

【参考】検索エンジンの仕組みを理解して集客力を高めよう

ホームページに見込み客が訪問するためのSEO

ホームページに見込み客を集めるためには、オーガニックサーチ(自然検索)による集客が理想的だ。簡単に言うとYahoo!やGoogleで検索してホームページにたどり着いてほしいということだ。ホームページに訪問してもらうには、検索してほしいキーワードで検索結果の上位を取得しなければいけない。この上位表示のための施策がSEOである。

SEOは以前は、専門業者により被リンクを意図的に増やすことで順位上昇を可能としていたが、Googleの検索アルゴリズム更新であるペンギンアップデートにより、故意な被リンクによるSEOは淘汰されてしまうようになった。現在のSEOに必要とされるは、コンテンツ評価のアルゴリズムに基づいたコンテンツSEOである。キーワード戦略やソースコードの書き方によりコンテンツごとにSEO対策を実施するべきなのだ。そして、最重要なのは、自社のコンテンツが見込み客にとって有益であることだ。そして、見込み客にとって有益なコンテンツを制作することにより、認知が拡大し集客に繋げるのがコンテンツマーケティングである。

コンテンツマーケティングを実践するためのWEBサイト構造

WEBサイトを用いてコンテンツマーケティングを実践するには、更新しコンテンツを蓄積できる仕組みが必要だ。ブログメディアをイメージしてほしい。ホームページの中にブログができるようになっていればそれでよい。もしくは自社保有のメディアであるオウンドメディアを制作するのもよい。オウンドメディアは自社サイトではなく、まずはメディアとして第三者的に位置付けにすることができ、宣伝色を感じさせず見込客を集客できるのがポイントだ。例えば「住宅購入のために必要な知識を集めたメディア」を作るようなイメージだ。

ブログ形式のメディアはコンテンツをカテゴリーごとに構成し、ユーザーにも見やすく、コンテンツを評価のために巡回するクローラーにもWEBサイトについて情報を伝えやすいのが特徴だ。WordPressなどのCMSを使うことでコンテンツマーケティングを行う準備は簡単にできる。コンテンツマーケティングを有効に実践するためには、次項でお伝えするロングテールキーワードを活用したい。次項にロングテールキーワードを活用するサイト構造図を掲載するので、そちらも参考にしていただきたい。

ロングテールキーワードをコンテンツマーケティングに活用する

コンテンツマーケティングを実践するためには、住宅会社・工務店の見込客がどのような情報を必要としてインターネット検索を行っているかを考えなければいけない。そして、検索に用いるキーワード情報を把握し、これらを生かしたコンテンツを制作する必要である。このステップが最重要であるため、コンテンツマーケティングを実践するには前準備がとても大切なのである。

誰も検索しないキーワードを使用したコンテンツを作っても、見込客の目に触れず報われない。必要とする人に適切にコンテンツが届くように熟慮するべきなのだ。そして競合性も考慮が必要だ。検索数の多いキーワードは競合も対策しているケースが多い。SEO激戦の中、自社のコンテンツが都合よく上位を獲得できるとは限らない。例えば、札幌市内の住宅会社・工務店の場合、「札幌 新築住宅」「札幌 リノベーション」というキーワードは多くの会社と競合することになるだろう。そのために狙うのは、「札幌 リノベーション 予算」など月間検索数が少なくても競合性の低いキーワードだ。このようなキーワードをロングテールキーワードという。ロングテール戦略は、検索回数が少なくとも多くのロングテールキーワードの蓄積により集客を実現する。各ロングテールキーワードにより上昇したキーワードは、競合性の高い難関キーワードの攻略にもつながる。

以下にロングテールキーワードを使用するサイト構造の図を用意したのでご参考いただきたい。カテゴリー以下にぶら下がる各コンテンツにロングテールキーワードを設定し、カテゴリーに設定したミドルキーワードの検索順位上昇を狙い、最終的にはトップページに設定しているビッグキーワード(ビッグワード)により上位表示を狙うイメージだ。
ロングテール戦略の構造
以下、関連する記事としてご覧いただければ幸いである。
【参考】今さら聞けない!オウンドメディアとは何か
【参考】今さら聞けない!ロングテールの法則とは

ソーシャルメディアで一発逆転を狙うポイント

自社のWEBサイトの検索順位を上昇させ十分なアクセスを獲得するのは決して簡単ではない。地道なコンテンツマーケティングの実践によりゴールに近づく必要があるのだ。しかし、ソーシャルメディアでは上位表示を狙う必要はないため、見込客にシェアしたりリツイートしてもらえることに注力できる。WEBサイトの検索順位が上がらなくて、ソーシャルメディアによりアクセス経路が生まれればオーガニックサーチに頼らずとも十分なアクセスを獲得することができる。ソーシャルメディアには逆転ホームランの要素があるという理由はこれなのである。

さて、ソーシャルメディアでバズるための傾向を考えよう。バズとはソーシャルメディアで情報が突発的に拡散する現象のことだ。

バズるネタを考える

住宅会社や工務店にとってバズるネタとはなんだろう?「驚き」「感動」「知識」の3原則で考えてみよう。「驚き」をテーマにした場合、リノベーションにより、部屋のいたるところに隠れた収納を作ったとする。この隠れた収納とは忍者屋敷のような細工だ。部屋の中央に集められた大量の衣類や雑貨などを思わぬところから出てくる収納に綺麗に片付けていくシーンは実に気持ちがいいだろう。整理整頓に関心があり、コアターゲットとなる30代くらいの女性がシェアしたくなる心理を狙うのだ。

バズる相手は誰だろう

twitterで住宅購入の話、リフォームやリノベーションの話を積極的にリツイートしている人を見つけてリスト化しよう。当然、フォロワー数の多い人が理想的だ。拡散してくれるインフルエンサーを明確にし、そのインフルエンサーが興味を持つ情報を徹底的に分析する。いつかはバズるではなく、狙わなければただ時間だけが過ぎてしまうのである。

バズるタイミングを狙う

トレンドを意識するのもソーシャルメディアでバズるために必要なポイントだ。話題性のあるテーマのもと情報配信することは、たとえ一過性であっても認知を生みアクセス数のベースアップに貢献する可能性がある。住宅業界では、固いところでは消費税の話題がトレンドに上がりやすい。トレンドに乗って、知識系のネタのバズを狙うのも面白い戦略だ。

ソーシャルメディアは検索順位を上げる神様でもある

ソーシャルメディアにより自社コンテンツが拡散されると、コンテンツに対するリンクが増える。このような自然発生のリンクをナチュラルリンクという。検索順位は、WEBサイトにクローラーが訪れる頻度が高いほどメリットを受ける。ナチュラルリンクが増えることはSEOに直結するのだ。そのため、ソーシャルメディアには目標達成のために必要な様々な要素が含まれていることを忘れてはならない。

【参考】ナチュラルリンクを集めてコンテンツマーケティングを加速する

忘れてはいけないこと

とにかく大切なのは「動機」をつくることだ。WEBサイトに訪れる人の大半は何か目的があって訪問している。御社のサイトを見ているだけで幸せだという危ない人はおらず、必ず知りたいことがあるはずだ。知りたいことにどれだけスムーズにたどり着かせてあげて、どれだけ満足してもらうかが将来的に見込み客を顧客に変えることに繋がるのである。

今回のまとめ

住宅会社・工務店はホームページ制作に力を入れる会社は多いが、WEB集客で成功している会社は意外に少ない。どれだけ時間をかけてホームページ制作を行ったとしても、集客戦略にはその何倍も力を使わなければならない。今回ご紹介した集客戦略を成功するために最も大切なのは、実施者のモチベーションである。成功するためのWEB戦略は実に地道なものである。地道な作業の積み重ねが苦にならず努力できるスタッフが必要だ。私たちのようなプロのコンサルタントの中でも成功のポイントの一つは、プロジェクトに関わるすべての人が力を合わせることだと話す。WEBはカタチがはっきりと見えない世界のように思われがちだが、WEBが生み出す力はヒューマニズムがあるからこそ強いのである。

コビトスパイスは、住宅会社・工務店のネット集客を得意としており、次の一手を打ちたい中小企業の支援を積極的に行っている。

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