業界別のランディングページ制作パターン

ランディングページは、見込み客を顧客に変えるために、長い1ページ内で商品やサービスについて宣伝し、購入、申し込みなどのコンバージョンに導くWEBページだ。売り手においてはこのランディングページこそがWEB上で顧客心理に近い距離になれる場面であり、いかにページ離脱させずにゴールに導くかに注力する。今では多くのランディングページが存在しすっかり馴染み深いものになったが、業界によって商品やサービスの性質が異なるので活用ケースが異なる。今回は業界別の基本的なランディングページ(LP)の使い方を紹介するので参考にしていただきたい。

ランディングページの特徴

まずは基本的なお話から。ランディングページの長さにルールはない。そのため、しつこいくらいに長く語るタイプのランディングページもあれば、3スクロール以内に末尾までたどり着く場合もある。長いランディングページ場合は、途中で購入や問い合わせのフォームにジャンプできるケースが一般的だ。PRのどの段階で見込み客が購入意思を決めても、すぐに購買行動を起こせるための工夫だ。

ランディングページにおいて最も大切なことは、ページのスタートからゴールまで顧客をできるだけ取りこぼさず導けるかだ。そのため、顧客の心に響く要素をたくさん用意しておかなければいけない。

ランディングページはネット広告とセットが多い

ランディングページは、ネット広告の遷移先として使用されるケースが多い。Yahoo!やGoogleといった検索エンジンに対し、ネット広告を出稿し、広告バナーやテキスト文をクリックすることで表示される。そのため、ネット広告のキャッチコピーとの連動がとても重要になる。ネット広告で興味を持ったが、クリック後に表示されたランディングページと話が違うというのではすぐにページを離脱してしまうのだ。ネット広告で生んだ動機に応えるランディングページでなければいけない。

業種別ランディングページ利用例

さて、ここからが本題である。ランディングページは様々な業種のネット集客やネット販売に使用されている。業種ごとのケースをピックアップしてみた。

健康食品通販

期間限定の特典付きサンプル提供などをきっかけにネット広告とランディングページによる集客を行う。また、楽天などショッピングモールの出店店舗はネット広告連動なしでランディングページ構成の販売ページを持つケースが多い。信頼性が重視される業界だけに購入したお客様の声や製造設備や受賞関係など第三者の評価をうまく入れてPRするケースが多い。

住宅会社・工務店・リノベーション

注文住宅の資料請求や完成見学会の募集などをネット広告とランディングページのコンビネーションでPRする。住宅業界はネット広告のコストが高めなのでキーワードのバリエーションが大切だ。住宅会社はデザイン等のビジュアルと建築資材や断熱や構造などをロジカルに伝えられるライティング力、コンセプトの企画力を総合的に打ち出すべき業界だ。商品の特徴として購入まで時間がかかるものなので、見込み客の心理に応える誠実なイメージも大切にしたい。

英会話スクール、音楽教室

無料体験レッスンや見学をゴールとしたランディングページを制作。ネット広告はエリアを絞って配信できるので、教室への通学圏内のみにネット広告配信を行い効率的にプロモーションをする。エリア名などキーワードの絞り方次第でネット広告コストを抑えやすい。スクール関係のランディングページは楽しそうというデザインコンセプトのもと費用面と講師陣などの教室の強みをシンプルに表現する。ごちゃごちゃ感のないデザインが一般的だ。

求人、人材募集、人材派遣

最近は人材獲得にもランディングページを使用するケースが多い。人材ビジネスはSEOの競合が激しいのでネット広告で検索上位に表示したり、バナー広告を出稿するケースが多い。ネット広告も競合性からハイコストになるので出稿キーワード選択が肝。人材登録をして理想の仕事を得られた人の体験談や自社のサービスの強みをランディングページで表現するが、人材業界のポイントはペルソナを明確にすることだ。女性向けなのか男性向けなのか、年齢層、特化した業種や職種があるのかなどを踏まえて顧客像を絞り込んだランディングページ制作が成約率を高める。

エステ、化粧品などの美容業界

ビジュアルで魅せるタイプのサービスや商品はランディングページに向いている。美容関係もネット広告の費用が高額になる傾向があるので、キーワード選定が大切だ。この業界のサービスや商品に適したデザインをできる制作会社はあまり多くないので、企画力やありデザイン性の優れた制作会社を確保するべきである。エステや化粧品業界は競合も販促費をかけてくるケースが多い。ランディングページに自社の個性を巧みに表現するのは当然だが、ネット広告の出稿媒体を工夫したい。単純にリスティング広告だけではなく、競合性が低い費用対効果の高い広告媒体を選択するのが大切だ。

オンラインゲーム

最近はオンラインゲームのユーザー獲得のためにランディングページを使用するケースが多い。多くの場合バナー広告からの誘導である。ネット広告の表示場所はゲーム攻略やアニメ関連サイトなど絞り込んだケースが多い。ターゲット属性を見極めやすい業界である。

ランディングページ制作の依頼先に対する考え方

ランディングページ制作にかかる制作料金は制作会社によってかなり幅がある。10万円程度のところもあれば50万円以上の制作会社もある。安かろう悪かろうとは言い切れないが、コミュニケーションが取りやすく自社の商品やサービスを理解してコンバージョンを狙って作ってくれる制作会社に依頼するべきだ。ランディングページ制作において制作会社がもっとも大変なのが構成である。

いかに顧客コミュニケーションを行い商品やサービスの本質や過去の傾向を把握できるかがキーだ。制作料金が安すぎる場合、コスト面でこういったプロセスが踏みにくくなる場合もある。金額は各社それぞれだが、打ち合わせをしっかり行える制作会社を選択するべきである。

ランディングページ作成をしたものの何もコンバージョンに結びつかなかったでは、何の意味もないからだ。

今回のまとめ

ランディングページ制作はWEB上のものだが、実はリアルシーンでの販売においても役に立つものだ。なぜなら、ランディングページ制作には、販売したい商品やサービスにおいて最も響くキャッチコピーを練り上げたり、過去の顧客の声、販売実績など、プロモーションに必要なあらゆる要素をまとめ上げる必要があるからだ。ランディングページ制作のために用意した資料は、そのまま営業ツールになるだろう。

リアルとネットにおいて役立つランディングページは各商品ごとにあってもよい。注力商品のみランディングページ制作をしてもよいのではないだろうか。自社においてどのようなケースでランディングページを最適に利用できるのか考えてみてはいかがだろうか。

以前、ランディングページに関する基本的部分の記事を書いたので、こちらも参考にしていただきたい。
【参考】ランディングページとはコンバージョンに導くWEB戦略の要だ