WEBコンサルティング

札幌では62年振りの大雪が降り、目の前は突然の雪景色。北海道らしい季節がやってきたと思いたいところだが札幌に住んでいる人間としては、この季節特有のライフスタイルに変わるときでもあると身構えてしまう。寒さに弱い北海道のWEBコンサルタントもいるのである。

札幌では雪が降り始めるこの季節、来期のweb集客の計画をざっくりと考え始めたり、新規ホームページやブログの検討を始める方が多い。今回は、そんなWEB担当者や中小企業の経営者、営業や販促部長のために、どの業界でも通用しやすいウェブ集客のプランニングの基本をお伝えすることにした。出来の良い集客サイトは会社の資産となるだけではなく、成功事例として会社のWEB集客のノウハウとして蓄積できるのだ。ウェブコンサルタントとして、役に立つだろうポイントを分かりやすく解説したい。

集客サイトのゴールを明確にしよう

ウェブコンサルタントがWEBコンサルティングを行う際に最初にヒアリングするのが、集客サイトのゴールである。通販をするECサイトなら購入、WEBサイトで販売までしないのであれば資料請求。イベント集客なら申し込みなどだ。あなたが目指すところは何処だろう。

このゴールのことをWEB業界ではコンバージョンと呼ぶ。また、サイト訪問全体のうちのコンバージョンまで至った比率をコンバージョンレート(コンバージョン率)と言う。コンバージョンは「転換」という意味があるため、コンバージョン率を転換率などと記載している場合があるので、このような表現も覚えておきたい。

ペルソナを明確にしよう

WEBマーケティングを成功させるためのポイントとしてよく挙げられることの一つにペルソナ作成がある。ペルソナとはターゲット像(顧客像)だ。このペルソナを明確にすることで、関係のない人への余計なプロモーションはせず、購買や申し込みといったコンバージョンに至る確率の高い人だけにスポットをあてた効率的なPRが可能になる。ペルソナ作成はどれだけ具体的に人物像が描けるか、そして、そのペルソナがどのようなライフスタイルの中でWEBサイトで取り扱う商品やサービスを必要とするかが重要だ。ここでのペルソナ作成は後の検討に大きな影響を与えるため、手戻りが発生しないよう入念に行いたい。

【参考】ペルソナマーケティングでこころに届くコンテンツをつくる

自社を取り巻く環境をみてみよう

集客サイト制作を成功させるための重要なことの一つ、それは競合性である。どれほど力を入れても、それ以上に競合が強ければ検索順位を競合以上に高めることは難しいかもしれない。検索順位はアクセス数と関係が深く、できるだけ1ページ目に自分のWEBコンテンツを表示させたい。大手の著名大規模なサイトはもちろん、競合が古くからあるドメイン(オールドドメイン)やページランクが高いサイトなど自社のWEBサイトより強そうに感じる部分があるかもしれない。そういった場合、正面勝負は得策ではなく、ニッチなキーワードを狙うロングテールSEOなども検討するべき場合もある。金融や保険などWEB集客においても強いサイトが乱立しているなどをよく見極めたい。

WEBサイトまでの集客を考えよう

WEB集客を成功させるためには、大きく2つに分けた考え方が必要である。「WEBサイトに見込み客を呼び込む方法」「WEBサイトに来た見込み客をコンバージョンに繋げる方法」を考えなければいけない。

WEBサイトに見込み客を呼び込む方法

すぐにアクセスを獲得するにはリスティング広告や動画広告などの所謂ネット広告が必要である。自然検索(オーガニックサーチ)からのアクセス流入を得るには、SEOによって検索順位を高くしなければいけない。ただし、検索順位の上昇は一筋縄にはいかない。コンテンツごとにキーワード対策を行い上位表示を狙うコンテンツSEOを考える。キーワードは、ビッグキーワード(ビッグワード)と呼ばれるメジャー級の一語は競合性が高いので、スモールキーワードの蓄積からアクセスを得るロングテールSEOを検討するとよい。

【参考】ロングテールSEOで地道に構築する集客サイトづくり
【参考】取り扱う商品によって異なるロングテールSEOのやり方

WEBサイトに来た見込み客をコンバージョンに繋げる方法

WEBサイトを訪れてくれた見込み客を離脱せずにコンバージョンまでたどり着くためには、目的のコンテンツへの導線が明確であることや魅力的にみえるデザインなどの要素が必要だ。ホームページ制作会社のよくある謳い文句「きれいなだけのホームページに意味はない」というのを耳にするが、やはり必要な美しさはあったほうがよい。なんだかんだで人間は見た目で印象がよくなる場合も多いからだ。デザインと機能性を兼ね備えることが重要と言える。

WEB戦略と必要なWEBサイト

ゴールを明確にすることによって、制作すべきWEBサイトがみえてくる。以下はあくまでも例ではあるが、考え方の一つとしてご参考いただきたい。

イベント集客のための短期的な需要

 ランディングページ制作の上、リスティング広告や動画広告TrueViewなどで集客する。検索結果の上位表示を待たずにアクセス流入を期待できるのが特徴だが、広告なので当然広告費がかかる。YouTubeの動画広告TrueViewは広告費は比較的安いが動画コンテンツが必要だ。しかし、YouTubeはテレビCMクラスの視聴者がいる巨大メディアである。リスティング広告費が高騰している業界の場合、こういった新しいメディアを狙うのもありだ。

【参考】ランディングページとはコンバージョンに導くWEB戦略の要だ

通販が中心である

 ECサイトを構築し、商品やジャンルなどのロングテールSEOを狙う。商品数がたくさんある場合、商品ごとにキーワード対策をしてロングテールを狙うのも有効だ。コンテンツ数が膨大になってしまうかもしれないが、コンテンンツ企画はしやすくコンテンツ制作の仕組みは作りやすい。ロングテールがしっかり効いたアクセスが取れるようになると強い集客サイトを作り上げられるだろう。

コンサルティングなど個人をブランディング

個人事業や小規模ビジネスにおいて、あまり予算をかけずにブランディング、認知拡大を狙うならブログ制作は費用対効果が高い販促手法である。ブログはただ思いつくままに日々の出来事や宣伝を書いてはいけない。何のキーワードでアクセスした見込み客を顧客にしたいのかキーワード戦略を明確にするのは必須だ。

【参考】ロングテールSEOを成功させるためのキーワード戦略

長期的な顧客獲得のために腰を据えた集客活動

継続的な情報提供を行い自社の認知や信頼を確固たるものにしたければ、オウンドメディアによるコンテンツマーケティングを推したい。見込み客を顧客に変える長期安定型のWEB集客戦略だ。オウンドメディアは運用が大変という声もある。運用代行サービスもあるが、運用会社に丸投げより、自社でWEBライティングをしっかりと行い、WEBコンサルティングを受けてしっかりとコンテンツマーケティング戦略を遂行するほうがよいと考える。どうしてもマンパワーが足りないなど事情があれば別だが、やはり自社が一丸となってメディア化する流れを初期は作りたいところだ。

【参考】今さら聞けない!オウンドメディアとは何か?
【参考】コンテンツマーケティングを実践するための5つのステップ

SEOは集客サイトの構築に必須

WEBで集客する以上、SEOは必ず行わなければいけない。SEOには外部対策(外部SEO)とが内部対策(内部SEO)がある。外部対策というのは、WEBサイトの中身ではなく被リンクを集めて外部的なSEOを行うことである。それに対して、内部対策とは、検索エンジンのクローラーが巡回しやすいようにサイト構造を最適化したり、SEOキーワードの設定やコーディングの最適化など、内部的なSEOを行うことだ。

一時は外部対策全盛期ではあったが、ペンギンアップデートやパンダアップデートにより、有料被リンクの購入などによる裏技的なアクセスを得ていたWEBサイトは一気に検索順位を圏外まで飛ばされたりした。現在、Googleはコンテンツの質を重視する傾向であるため、ユーザーにとって役立つ情報を明確に提供することを望んでいる。すなわち、内部対策全盛時代になっている。コンテンツマーケティング全盛期とコビトスパイスは呼びたい。今はコンテンツによるSEOに注力して、検索エンジンと見込み客に自社の魅力を伝えるべきときなのだ。

【参考】天使のホワイトハットSEOと悪魔のブラックハットSEO
【参考】SEO業界を激変させたペンギンアップデートとは

検討すべきソーシャルメディア

ソーシャルメディアは、現在のウェブ集客におけて効果的なツールとして活用したい。日本ではTwitterやFacebookがメジャーだが、最近はInstagramも人気だ。画像で魅せるタイプのプロモーションができる商材なら是非活用したい。同じ画像系でPinterest(ピンタレスト)という画像収集系のメディアもある。こちらも実にユニークである上、まだ活用している企業は多くないので先駆者的に組み込むのも面白いだろう。

ソーシャルメディアで成功するコツは押し売りしないことだ。プッシュ型の広告の嵐の時代を駆け抜けて、すっかり売り込みに嫌悪感を示す消費者が増えてしまった。よくも悪くもいろいろな商売の仕方があるものだ。今の時代はインバウンドである。消費者に興味を持ってもらい信頼を得て、欲しいと言ってもらうスタンスが必要だ。

ソーシャルメディアはコミュニケーションツールだ。しかし、どこまでの深いコミュニケーションができているだろうか。Twitterは手軽にコミュニケーションができるツールだが、その分関係が希薄だ。企業としては宣伝先リストを手に入れやすいが、パーソナリティは見えにくい。Facebookは実名登録という繋がりの強さがウリだが、その分、ウリ拒絶は結構あり、広告的な投稿にはネガティブな反応だったりもする。Facebook広告は広告として認知されているのでよいが、投稿なのか広告なのか騙しっぽいのは嫌われる。
ソーシャルメディアはあくまで認知獲得のツールとして割り切り、営利な売り込みはしないほうが得策だと感じている。

【参考】Facebookでシェアされるケースを理解してバズを狙う

Googleアナリティクスでアクセス解析をしっかりやろう

WEBコンサルなら誰でも口にするのがアクセス解析の重要性だ。コーディングが終われば、成果を存分に出せる理想の集客サイトが出来上がることなど現実的に少ない。WEBサイトを集客サイトに育てる必要があるのだ。WEBサイトの公開は、一人前の集客サイトに育つだけ素材ができたに過ぎない。

アクセス解析のポイントは色々とあるが、「何をきっかけにしてWEBサイトに辿り着いたのか」「どのコンテンツを読んでコンバージョンに至るか」が非常に重要だ。仮説と検証の繰り返しを経て、安定したWEB集客を実現できるようになるのだ。

何をきっかけにしてWEBサイトに辿り着いたのか

Google Analyticsの集客サマリーを見てみよう。Social(ソーシャルメディア)とReferral(参照)、Organic Search(自然検索/オーガニックサーチ)Direct(お気に入り/ブックマーク)があるかと思う。長期安定集客のためには、Organic Searchを伸ばしたい。検討したSEOキーワードで集客できているかを確認しよう。新しいSEOキーワードを知るチャンスになる場合もある。ソーシャルメディアを活用していれば効果のチェックもする。一つ気をつけなければいけないのがReferralだ。最近、リファラスパムというスパムプログラムによるアクセスが増えている。一見、アクセス数が増えているようにみえて実際はただのスパムだったというオチもあるので注意したい。

どのコンテンツを読んでコンバージョンに至るか

Google Analyticsの行動にあるサイトコンテンツを確認しよう。WEBサイトに搭載されているすべてのWEBコンテンツのページごとのアクセス状況を確認できる。どの記事が人気だったのか、どんなタイトルならアクセスが増えたのかなどを分析することができる。蓄積されたデータは何より貴重なWEBマーケティングが実践できる宝の山だと考えよう。

札幌のWEBコンサルが呟き過ぎた内容をまとめる

集客サイトの構築はWEBに携わる者ならまさに腕試しの舞台だ。ネット広告とランディングページで一発サクっと狙う短期勝負から、半年以上かけてコンテンツマーケティングでしっかりと見込み客を育てていく長期勝負までステージは様々である。どの勝負にも言えるのは仮説と検証の繰り返しである。今回ご紹介した内容はウェブコンサルタントとして集客サイトを構築する上での基本的な考え方だ。お読みいただいた皆さんは、基本を押さえた上で自社のこと、自社の業界を踏まえて応用していただきたい。コビトスパイスは札幌に拠点を持ってコンテンツマーケティングやウェブコンサルの活動しているが、南は沖縄まで多くの方のWEB集客に役立つ情報をご提供したいと考えている。